健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
このページでは、エストロゲンを増加させる効果を持つ薬「HRT(ホルモン補充療法)」について解説します。
エストロゲン不足などで女性ホルモンのバランスが乱れていると、生理前症候群や更年期障害の症状が重くなる、イライラする…など、様々な問題が出てきます。
ホルモンバランスの乱れの原因がエストロゲン不足と聞くと、手っ取り早くエストロゲンを増やし、ホルモンバランスを整えたいという方もいらっしゃるかと思います。
治療法として「HRT(ホルモン補充療法)」という方法があります。
エストロゲンを増加させる薬「HRT(ホルモン補充療法)」とは、更年期の症状や更年期障害を治療するために、閉経前後に体内で不足しがちなエストロゲンを補う療法です。
日本で行われているHRT(ホルモン補充療法)では、飲み薬をはじめ、貼り薬(貼付剤)や塗り薬(ジェル)などを医師が処方してくれます。
子宮を摘出した人にはエストロゲン製剤を単独使用し、子宮のある人には、子宮体がんを予防するために、黄体ホルモンを併用するなど、体の状態によって異なる処方をしてくれます。
まずは、薬の持つ効果と副作用を見ていきましょう。
参照元:あすか製薬株式会社 更年期障害について(https://www.aska-pharma.co.jp/general/menopause/hrt.html)
エストロゲンを増やす飲み薬(内服薬)の特徴として挙げられるのは、
飲み薬の種類としては、プレマリンやエストリール、ジュリナ、ウェールナラ配合錠などがあります。
1日1~2回、1回0.1~1.0mgを服用します。更年期障害や子宮頸管炎などに効果はあるものの、子宮からの不正出血や乳房痛、嘔吐、食欲不振などの副作用が認められています。
参照元:くすりのしおり(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=11227)
1日0.625~1.25mgを服用します。更年期障害や排卵機能不全症、卵巣欠落症状などに効果はあるものの、発疹、蕁麻疹、血管浮腫などの副作用が認められています。
参照元:くすりのしおり(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=107)
エストロゲンを増やす貼り薬の特徴としては、
貼り薬の種類としては、エストラーナやエストラダーム、メノエイドコンビパッチなどがあげられます。
下腹部か背部に1回貼り、2日に1回貼りかえます。2枚を限度に使用可能。更年期障害の症状や卵巣欠落症状に効果はあるものの、乳房緊満感、乳房痛、不正出血、消退出血、帯下、貼った所の紅斑・かゆみなど様々な副作用が認められています。
参照元:くすりのしおり(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=13761)
エストロゲンを増やす塗り薬の特徴としては、
塗り薬の種類としては、ディビゲルやルエストロジェルなどがあります。
1日1回、1.08mgを塗布します。更年期障害の症状や卵巣欠落症状などに効果があるものの、乳房の不快感や骨盤痛、不正出血などの副作用が認められています。
参照元:くすりのしおり(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=34074)
エストロゲンを増やす注射では、エストホルモンやプロギノンデポーなどがあげられます。
1~4週間に1回、5~10mgを筋肉注射します。無月経や月経周期異常、月経困難症、子宮発育不全症、不妊症などに効果があるものの、不正出血や乳房痛、血栓症などの副作用が認められています。
参照元:日経メディカル(http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/24/2473402A2059.html)
漢方薬・精神科薬・風邪薬・頭痛薬・抗アレルギー剤・コレステロール低下剤・降圧剤・便秘薬など、一般的な薬とHRT(ホルモン補充療法)を併用することは可能です。
糖尿病や甲状腺疾患の治療薬も、HRT(ホルモン補充療法)と一緒に使用しても問題ないとされています。
乳がんや子宮がん、血栓症の治療薬を処方されている人、または過去に脳卒中・心筋梗塞を起こしている人には、HRT(ホルモン補充療法)が行えません。
なお、子宮筋腫・高血圧・肝機能障害がある場合は、投与方法や投与量を工夫しながらHRT(ホルモン補充療法)が実施されています。
薬を受けられない場合、エストロゲンを増やすサプリを活用する、という方法もあります。体に必要な栄養成分を補えるので、医師と相談して、検討してみると良いでしょう。
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HRT(ホルモン補充療法)を受けると、のぼせ・ほてり・多汗などのホットフラッシュや睡眠障害、関節痛を和らげる効果や、落ち込んだ気分やうつ症状を改善する効果が期待できます。
また、骨を破壊する破骨細胞の生成を抑えて骨密度を増やす作用もあります。そのため、骨粗しょう症の予防に加えて、骨量が減少している女性にも骨折を予防する作用が期待できます。
HRT(ホルモン補充療法)でエストロゲンを補うことで、皮膚のコラーゲンやエラスチンが増えて肌の張りや潤い、柔軟性を保つ効果が見込めるでしょう。
他にも膣粘膜の乾燥を防ぐ、固くなった血管壁を柔らかくする、膀胱のはたらきを正常に戻すなど、さまざまな効果が期待できます。
様々な問題や悩みを抱えていると、即効性のある方法を求めたくなるのが人間というものです。
その点、薬はすぐに効果が認められるので、一番良い方法のように感じますが、効果が高い分、ほとんどの薬に副作用が認められます。HRT(ホルモン補充療法)のデメリットも把握しておきましょう。
HRT(ホルモン補充療法)を始めた直後は、下記のような症状が現れるケースが多いです。
HRT(ホルモン補充療法)を続けていくうちに、上記の症状は自然と治まることが多いのですが、自己判断で治療を中止するのはNGです。薬の種類を変えるなどで対処することもできるので、必ず医師に相談するようにしましょう。
HRT(ホルモン補充療法)の5年未満の治療では、乳がんのリスクを高めないと考えられています。しかし、5年以上HRTを使用した場合は、若干乳がんのリスクが高まる場合があります。
エストロゲンと黄体ホルモンの薬を同時に服用することで、子宮体がんのリスクが高まることはありません。
HRT(ホルモン補充療法)を行う際は、乳がん検診や子宮がん検診を定期的に受けるように心がけましょう。
薬の副作用は個人差があるので、全員に起こるとは限りません。副作用が起こっても軽い症状の場合もあれば、副作用が強く起こることもありえます。
そのリスクを負ってでも、即効性を求めたい方は、薬を利用するのも良いかと思いますが、まずは、
などでエストロゲンを増やす工夫を地道に行うようにしましょう。
薬は出ている症状に対して即効性がありますが、吐き気など副作用のリスクを伴います。
一方、サプリメントは不足しがちな栄養成分を補うので、少しずつですが体質そのものの改善が期待でき、副作用のリスクを伴いません。即効性はありませんが、サプリメントで体に必要な栄養成分を毎日継続して摂ることで、根本的な解決につながることでしょう。
HRT(ホルモン補充療法)が受けられない人や、薬の副作用が気になる方は、サプリの摂取を検討してみましょう。
エストロゲンを増やすサプリ…というと、ホルモンバランスを整える成分だけに目がいきがちですが、更年期の悩みを抱えているときに、それだけでは足りません。
エストロゲンの分泌量が低下し、ホルモンバランスが乱れているときは、同時に免疫力が低下していたり、自律神経が乱れていたりします。
ホルモンバランスを整える成分はもちろん、免疫力をアップさせる成分や、自律神経を整える成分にも着目して3つのバランスが整ったサプリを選ぶと良いでしょう。
下記のページで、エストロゲンを増やすサプリメントを紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。