健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
ここでは、エストロゲンが関連している病気の一つ、乳がんの原因や症状について詳しくまとめます。
乳がんの原因やがん細胞の増殖には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが大きく関わっていることが多いようです。
何らかの発がん刺激によって傷ついた細胞がエストロゲンの影響を受けて増殖し、がん化すると考えられているのです。
また、食生活の変化、経口避妊薬の使用や閉経後のホルモン補充療法、晩婚少子化など、女性の生活スタイルの欧米化によって、体内でより多くのエストロゲンが存在するようになったことも乳がん患者を増やす要因となっているようです。
乳がんのリスク因子には、以下のようなものがあります。
女性ホルモン(エストロゲン)に長期間さらされると、その影響を強く受けることになるため乳がん発生のリスクが上昇するといわれています。
これらのリスクに当てはまらない人でも乳がんにかかる可能性はあるので注意が必要です。
エストロゲンの分泌量が増えることで乳がんのリスクが高まるなら、閉経後はエストロゲンが減少するから心配する必要はないのでは…と思うかもしれません。
しかし、閉経後も乳がん発症のリスクはあります。閉経するとエストロゲンが減って肥満になりやすく、肥満になると脂肪組織からアロマターゼという酵素が分泌されます。アロマターゼが副腎皮質から分泌されている男性ホルモンであるアンドロゲンをエストロゲンに変換します。そのため、閉経後に肥満になると、閉経後であっても乳がんのリスクを高めてしまうのです。
代表的な症状は以下の4つです。
ただし、ごく初期の段階だと、わからないくらい小さなしこりであったり、痛みや体調不良などの自覚症状もないことが多いので注意が必要です。
乳がんは放置しておくとリンパ節や他の臓器に転移しやすいので、少しでも違和感を感じたら、できるだけ早めに医療期間で検査を受けることが大切になります。
また、自覚症状がなくても定期的に検診を受けることをおすすめします。
乳がんの予兆としては、「背中が凝る」という症状があるようです。
また、乳房に下記のような症状があらわれたら乳がんの前兆であると考えられるので要注意です。
乳がんはある程度の大きさ(5mm~1cm)になると自分で触ってわかるようになります。
ただ、しこりがあっても必ずしも乳がんであるとは限りません。しこりにも良性と悪性があるのです。
見分け方としては、押すとしこりが逃げるようによく動く場合は良性、消しゴムのような固さで押しても動かない場合は悪性であることが多いと言われています。
国立がん研究センターによると、閉経後の女性の場合、大豆に含まれるイソフラボンの摂取量が多い人ほど乳がんリスクが下がるという結果が得られているそうです(最大で70%低下)。
イソフラボンが、エストロゲンと化学構造が似ています。しかし、イソフラボンは、乳腺細胞のエストロゲン受容体にエストロゲンより先に結合するため、結果としてエストロゲンの働きを弱めることに繋がり、乳がんのリスクを低下させるのではないかと考えられています。
豆腐や納豆、煮豆、味噌などをバランスよく食事に取り入れると良いようです。