健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
エストロゲンは、脂質の代謝にもかかわっています。そのため、女性ホルモンのバランスが崩れると、脂質異常症や肥満になってしまうことも…。
コレステロールや中性脂肪は肝臓で代謝されています。エストロゲンは、この代謝量を増加させる働きをもっています。
一般的にエストロゲンがきちんと分泌されていれば、太りにくいのです。
また、余剰なコレステロールや中性脂肪が出なければ、血管を傷めず動脈硬化なども起こりにくくなります。
このようなエストロゲンの性質を理解し、エストロゲンが優位になっているタイミングを狙えば、ダイエットなどの体重コントロールの効果をより高められるのです。
女性ホルモンのバランスは、1ヶ月の間で月経期→卵胞期→排卵期→黄体期と遷移していきます。
それぞれの時期で体調や心の安定度合いが異なり、生理が終わってから排卵までの「卵胞期」は心も体も一番安定しており、ダイエットにも一番良い時期です。
卵胞期には別名を「美人ホルモン」とも呼ばれている女性ホルモン・エストロゲンの分泌が増えてきます。
エストロゲンは排卵に向けて赤ちゃんを迎え入れるために体にスペースを作ろうと、内臓周辺の脂肪を小さくしてくれるため脂肪が排出or燃焼されやすくなるのです。
さらに、月経前・月経時のイライラやむくみが取れて体がすっきりしますし、気持ちも前向きになるので、努力と気合が必要なダイエットを開始するには一番おすすめの時期なんですね。
より効果的に痩せるには、日常生活に以下のような工夫を取り入れてみてください。
排卵が終わるとエストロゲンが減りプロゲステロンが優位に分泌されるため、心も体も不安定になりやすくなります。
食欲のコントロールがうまくいかなかったり、体に水分を溜め込んでむくみやすくなったり、体重も増えやすく減りにくくなります。
この時期は無理に運動を続けてもあまり効果は見えませんので、リラックスして心を落ち着かせ、なるべく休養をとるのに適しています。(運動がストレス解消になっている方は是非続けてください!)
体のリズムを無視し、黄体期まで無理なダイエットを続けていると今度は痩せすぎになってしまいます。
BMI値(体重Kg÷身長m÷身長m)18.5を切ると、女性ホルモンの機能が低下し月経周期が乱れるほか、妊娠出産に影響が出たり、骨量が減少したり肌や髪もボロボロな状態に。
ダイエットは健康で女性らしいボディーラインを保つところまででOKですよ!
ちなみに、この時期甘いものがどうしても欲しくなるタイプの方が結構います。これは脳の神経伝達物質「セロトニン」不足で起きている可能性があり、一度甘いものや過食で気持ちが落ち着くことを経験してしまうと癖になりやすいので注意が必要です。
ストレスを解消しセロトニンを分泌するには、以下のような方法を試してみてください。
エストロゲンには、肝臓でLDL(悪玉)コレステロールが取り込まれる量を増やす働きがあります。
LDL(悪玉)コレステロールがスムーズに代謝することによって、脂質が上手に代謝されていきます。
若くてエストロゲンの分泌が盛んな若い女性は、男性よりも血液中に含まれているLDL(悪玉)コレステロールの数値が低い傾向にあります。それは、エストロゲンが影響しているためです。そのおかげで、動脈硬化も起こりづらいのです。
脂質異常症(高脂血症)は、血液中の脂質の中でも、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が多すぎる、もしくは、HDL(善玉)コレステロールが少なすぎる状態を示します。
脂質異常症(高脂血症)かどうかは、血液検査で簡単にわかりますが、はっきりとした自覚症状はありません。しかし、放置しておくと動脈硬化が進行してしまいます。
動脈硬化が進んでしまうと、血管の柔軟性が失われて血液が運びにくくなります。それでも運ぼうとポンプとなる心臓が頑張りすぎてしまうため、高血圧を招いてしまいます。心筋梗塞や脳卒中といった命にかかわる病気にもなりうるため、早めに対策をしなくてはいけません。
脂質異常症(高脂血症)は、高血圧や糖尿病と並んで、生活習慣病の一つです。平成26年の時点で、推定で206万2,000人もの人が脂質異常症(高脂血症)であると厚生労働省から発表されました。
特にふくよかな方は、脂質異常症(高脂血症)になりやすいので、注意しましょう。