健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
実は、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量で骨の強度がかわっています。女性は年齢を重ねると、骨密度が減少し骨粗鬆症になりやすくなります。そのメカニズムを解説しています。
骨の中では骨を作る骨芽細胞、骨を壊す破骨細胞が常に活動しており、毎日少しづつ骨を作り変えています。成長期の終わった成人でも、体の骨は約3年スパンで入れ替わります。
なぜ骨にもサイクルがあるのでしょうか?
骨の中にはたくさんのカルシウムが蓄えられていて、不足すると骨から溶かして使い、余ると骨に蓄えておくとのこと。カルシウムの出し入れにより、結果的に生まれ変わるのが理由の1つ。
もう1つは、骨にも老化があるため。いくら丈夫な骨でも、長く使うと弾力が減りもろく、折れやすくなってしまいます。骨を構成するカルシウムを常に新しいものに入れ替えることで、しなやかさと強さを維持しているのです。
女性ホルモン・エストロゲンは、「骨が壊されるのを防ぐ」「骨の形成を促進する」という、生まれ変わりのサイクルに関わっています。
40代半ばくらいまでは、エストロゲンの分泌が活発なため、破骨細胞は必要な分のみの働きをします。骨芽細胞が骨を作るのをしっかりとサポートしてくれるため、骨密度も高いレベルを維持できます。
骨粗鬆症とは、一言でいうと骨がスカスカになっている状態のことです。髪の毛や肌が生まれ変わるように、骨も生まれ変わりを常に続けています。古くなっている骨を壊すのが「破骨細胞」、新しい骨を作るのが「骨芽細胞」です。これらがバランスよく働きあって、健康な骨が日々生まれ変わっていきます。しかし、このバランスが崩れると大変なことが起こります。
破骨細胞の働きはそのままに、骨芽細胞の活動が弱ってしまったら…どうなるでしょうか?新しい骨は作られないのに、骨がどんどん壊されていきます。その結果、骨の内部がスカスカになって、ちょっとした衝撃を受けただけでも折れやすくなります。
しかも怖いのは、自覚のない間に骨折が起きることもある、ということです。背骨や肋骨など、くしゃみ程度でも折れてしまう可能性があります。
自分で大きく転倒したとか、折れたなと感じる衝撃が加わった場合は、骨折の自覚がありますよね。でも、日常生活を普通に送っているだけだと、なんだか痛いなと思っても骨折だなんて思わないものです。痛いなと思って病院に行ったら、実は骨折していた…そういういつの間にか骨折は、骨粗鬆症が原因です。
閉経期を迎えると一変。エストロゲンの量が急激に減り、破骨細胞の働きを抑制するものがなくなり、骨はどんどん壊されていくのに対し、骨の生産が追いつかず、骨密度が減少し、骨粗鬆症になってしまうのです。
事実として、閉経後の女性における骨粗鬆症の発症率は、男性の約3倍。40代後半ではほとんどいなかった女性患者が50代前半では男性を抜き、その後は男性患者の2倍以上のペースで増えていきます。80代になると実に2人に1人が骨粗鬆症と診断されているというデータもあります。
将来骨粗鬆症にならないためには、更年期の頃からエストロゲンと同様の働きをする成分である大豆イソフラボンや、ざくろ、マカなどを積極的に摂取し、急激な減少に備えることが大切。更年期障害の症状も緩和でき、良いこと尽くめです。
余談ですが実は男性もエストロゲンをわずかに持っており、骨の生まれ変わりに役立っています。先天性の病気などでエストロゲンが働きにくい男性は、ちょっとしたことでも骨折してしまう…とのことで、エストロゲンは男性女性問わず、健康な骨の維持に欠かせない物質なんですね。
年齢を重ねてもイキイキ、元気に活動したいご夫婦は、40代くらいからお二人で大豆製品たっぷりの食事に切り替えるのがおすすめです。もちろん男性が摂取しても、体内でエストロゲンとして働く効果が認められています。
骨粗鬆症が起きてしまう大きな原因であるエストロゲンの減少。改善するためにはホルモンバランスを整えるだけでは足りません。
この3つに着目し、これらを高める成分を摂取するようにしましょう。
女性ホルモンはエストロゲンだけではなく、プロゲステロンもあります。この2つのバランスを保つことが、女性ホルモンと自律神経の乱れを整えるためには大切なことです。女性ホルモンと似た作用がある、イソフラボンを摂取しましょう。
ちょっとしたことで不調を感じやすい人は、免疫力アップも忘れずに。免疫力が高まれば、自然とホルモンバランスもよくなり、自律神経も整います。免疫力を高めるための成分を摂取しましょう。
骨と神経は関係ないと思うかもしれませんが、カルシウム不足はイライラの原因にもなるとされています。骨を作る成分でもあるカルシウムの摂取を心がけましょう。また、ストレスを抑制してくれる、神経に働きかける成分の摂取もおすすめです。