健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
女性ホルモンであるエストロゲンには、血管を守る作用があります。閉経するとこの血管を守る働きが低下するため、動脈硬化のリスクが高まります。メカニズムを詳しく説明します。
妊娠・出産する可能性がある時期、つまり月経がある時期は女性の体はエストロゲンの多彩な効果によって守られており、男性よりもずっと成人病になる人が少ないのです。
しかし閉経を迎えたとたん、今まで正常値だったコレステロールが高くなる人が急激に増加。
「要注意」と診断される女性は50代から急増し、約50%にもなります(ちなみに男性は年代が変わっても常に20%代後半をキープしています)。
コレステロールには善玉と悪玉があり、善玉は血管から余分なコレステロールを運び出して血管をキレイにしてくれるものですが、悪玉は血管の壁に入り込み、余分なコレステロールを付着させてしまいます。この余分なコレステロールがが蓄積していくと血管が固くなり動脈硬化になってしまうのです。
エストロゲンにはコレステロール(特に悪玉)を抑える効果のほか、動脈を直接柔らかくする効果、抹消の結構改善効果などがあることがわかっており、これらの効果が急激になくなってしまうことで様々な病気が起こります。
特に血液中のコレステロールや中性脂肪が増えすぎてしまうと血液がドロドロになり、赤血球が変形したり、白血球がくっつきやすくなったり、血小板が固まりやすくなるなどの変化が起こります。これらが血栓となり、コレステロールの付着した細い血管を通りぬけることができずに詰まってしまいます。
心臓付近で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞…と、命にかかわる重篤な病気を引き起こす可能性があるのです。
心筋梗塞や脳梗塞は後遺症を伴い、発症以降の生活をがらりと変化させてしまうものなので、更年期を迎える女性は十分に注意してください。
女性にこういった病気が多いのは「エストロゲンが急激に減るから」という大きな理由が挙げられますが、そればかりのせいにしてはいけません。
確かにエストロゲンの減少は女性の体に大きな変化を与えるものですが、更年期にさしかかる頃からこういった変化が自分の体に起こることを事前に把握しておき、早め早めに対処するだけでもその後の変化がだいぶ変わってきます。
更年期を迎えたら、若いうちはたっぷり摂取していたお肉の脂身やバター・乳脂肪・チーズ・卵などの「飽和脂肪を含む食品」を控えめにし、お魚や大豆製品・野菜などの「不飽和脂肪を含む食品」を中心とした食事に切り替えていきましょう。
特に大豆製品は体の中で女性ホルモンと同じような働きをしてくれる植物性エストロゲン・大豆イソフラボンをたっぷり含んでいるため、エストロゲン不足を補う意味でも、コレステロールを減らす意味でも積極的に摂取すべきです。
女性ホルモンが減っていくことは誰にでも起こる変化。その変化を受け入れ、事前に症状を理解し対処することで健康な壮年期・老年期を過ごしましょう。
エストロゲンは、血管拡張作用があります。血管が拡張すると、一度に流せる血液の量は増えます。全身にくまなく血液が運ばれ、その血液に乗って酸素や栄養も運ばれていきます。
しかし、エストロゲンが減少してしまうとどうなるでしょうか?血管がうまく広がらず、血液が全身に流れづらくなり、血行不良になります。その結果、女性が悩みやすい、冷え性・肩こり・腰痛・関節痛・むくみといった様々な体の不調を招いてしまいます。
女性は、男性よりも筋肉量が少ないため、血行不良がより深刻になりやすい傾向にあります。
加齢によるエストロゲン不足を補うために、以下の3点に着目していきましょう。
エストロゲンとプロゲステロンの分泌が不安定にならないよう、ホルモンバランスと似た作用を持つ成分を摂るようにしましょう。エストロゲンと似た作用をするイソフラボンの摂取がおすすめです。
元気に過ごすために、免疫力を低下させないようにしましょう。免疫力を高めることで、病気になりにくくなり、エストロゲン不足による体調不良にも立ち向かえます。免疫力を高める成分を摂取するとよいでしょう。
いろいろと高ぶっている状態では、心も体も落ち着きません。ストレスに打ち勝つために役立つ成分を摂取すると、ストレスに対しての効果はもちろん、気持ちを落ち着かせるように働きかけてくれます。
上記の3つの働きに役立つ成分を食事やサプリなどで補うようにしましょう。