健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
ここでは、エストロゲンに関連する病気の一つ、子宮がんの原因や症状について詳しくまとめました。
子宮がんには、子宮体がんと子宮頸がんの2種類があります。
妊娠した回数が多い人がなりやすいのは子宮頸がんで、妊娠したことがない人がなりやすいのが子宮体がんになります。
子宮体がんは40代から増え始め、閉経後の50~60代の女性に多く、エストロゲンが子宮内膜を刺激することが関わって発生するがんとされています。
原因については、肥満や食生活の欧米化、晩婚化、若い頃の生理不順やホルモン異常、妊娠回数の減少なども関連が深いといわれています。
エストロゲンにさらされている期間が長いほどリスクが高くなるようです。
一方、子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というイボをつくるウイルスが関係していることがわかっており、性交渉の経験のある女性であれば誰でも感染する可能性があります。
日本人女性の子宮がんは、子宮頸がんが約7~8割ほどで子宮体がんよりも割合が多くなっています。
主な症状は「不正出血」です。子宮体がんは比較的初期の頃から不正出血が起こります。
「月経以外におかしな出血が長く続く」、「閉経後に不正出血がある」、「閉経期に月経の上がりが悪い」、といった症状がある場合は子宮がんを疑う必要があります。この不正出血が前がん状態のシグナルであることもあります。
他にも、排尿痛または排尿困難、性交時痛、骨盤領域の痛みなどの症状が現れることがあります。
ただし、子宮頸がんも子宮体がんも症状がかなり進行した段階にならないと目立った症状が出て来ないことがあります。
子宮がん(特に子宮頸がん)は進行が遅いので、定期健診を受けて早期発見すれば初期段階で対処することが可能です。
子宮頸がんには予防ワクチンもありますが、副作用が多く報告されているので定期健診による予防を心がけることが大切です。
2年に1回の定期検診は忙しくても必ず受けるようにしましょう。
また、集団検診で行う「子宮がん検診」は、通常は子宮頸がんの検診になります。
閉経後や肥満など、子宮体がんのリスクを高める要因に当てはまる方は、子宮体がんの検診も定期的に受けるようにしましょう。
子宮体がんの原因は、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量のバランスが乱れてしまうことです。エストロゲンは月経によって量は変わるものの、安定して分泌されている状態が理想です。それが乱れやすい更年期、閉経後の女性は子宮体がんのリスクが高まります。
子宮体がんの症状としては不正出血があります。閉経前後に長く少しずつ出血する場合は、異変と考えましょう。
子宮頸がんの原因となるのは、ヒトパピローマウイルスというウイルスへの感染です。性交渉によって感染するウイルスで、実際に性交渉経験がある女性は約8割以上が保持しているウイルスです。
ウイルスの種類は100種類以上あるのですが、そのうち子宮頸がんの原因となるウイルスは4つあり、そのどれかに感染すると発症するリスクが高まってしまいます。
症状としては子宮体がんと似ており、おりものの異変や不正出血があります。
異変を感じたら、早めに医師に相談するようにしましょう。
エストロゲンの分泌がストップしてしまう閉経後は、子宮体がんのリスクが高まります。
エストロゲンと似た作用をするイソフラボンなどを摂取し、ホルモンバランスを整えていきましょう。また、閉経後は免疫力が低下したり、自律神経が乱れたりします。ホルモンバランスを整えるだけでなく、免疫力を高める成分や、神経に働きかける成分も併せて摂取し、体に必要な栄養素をバランス良く摂取するようにしましょう。