健康と美を作る女性ホルモン・エストロゲンの働きを徹底解明
ここでは、骨粗鬆症の原因や症状、改善法などを詳しく解説していきます。
骨に含まれるカルシウムなどの量を骨密度(骨量)と言い、骨密度が減って骨がもろく、骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と言います。
女性は骨代謝に関わる女性ホルモン(エストロゲン)が閉経後に減少してしまうので発症リスクが高くなることが知られており、男性の3倍かかりやすいとされています。
エストロゲンは、骨の新陳代謝に際し、骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きをしています。
閉経後はエストロゲンが分泌されず骨吸収のスピードが速くなり、骨形成が追いつけずに骨がもろくなってしまうのです。
女性の場合、60代で3割、70代で5割の女性が骨粗鬆症を発症しているとも言われています。
エストロゲンの減少や加齢にともなって引き起こされる骨粗鬆症以外にも、特定の病気や服用している薬が原因となって骨の強度が低下する骨粗鬆症もあります。(生活習慣病関連の骨粗鬆症、ステロイド薬の長期服用による骨粗鬆症)
その他の原因としては、以下のことが影響します。
骨粗鬆症で骨がもろくなった場合、骨折しやすいなどの他にも辛い症状が現れます。
など
骨粗鬆症の治療には、食事・運動・薬物とあります。それぞれ見ていきましょう。
カルシウム・ビタミンD・ビタミンKなど、骨密度を増やす栄養素を積極的に摂ることが骨粗鬆症の食事療法です。
カルシウムが多い食品…牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、大豆製品、青梗菜など。骨粗鬆症の治療ガイドラインでは、1日800mgのカルシウム摂取を勧めています。
骨にカルシウムを蓄えるためには、「体重をかける」ことが大切。ウォーキングや階段の上がり下がり、散歩などを取り入れて運動量を増やすだけでも効果があります。
適度な運動によって筋力をつけ、転ばない体作りを行いましょう。
また、適度に日光に当たるようにすると体内でビタミンDが活性化され、強い骨を作るのに役立ちます。
骨折を予防するため、薬を使った治療が行われています。
ビタミンK製剤、女性ホルモン製剤(エストロゲン)、カルシウム製剤、ビスホスホネート製剤、SERM(塩酸ラロキシフェン)、カルシトニン製剤などが主に使われる薬剤です。
これらの薬以外にも、イプリフラボンやタンパク同化ホルモン製剤などが処方されることもあるようです。
骨粗鬆症は、放っておくと骨折によって寝たきりになる危険性も高い病気です。
ですが、きちんと治療すれば高齢になっても活動的に過ごすことができます。年だから仕方ないと思わず、病院での診察・治療を受けることが大切です。
骨は一度できたらそれで終わり…ということではありません。骨は新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨は、破骨細胞が壊していきます。その反対で、骨を作る細胞は骨芽細胞と言います。
この2つの細胞(破骨細胞と骨芽細胞)がしっかりと働くことができていれば、骨は古くなったら壊され、新しく作られていく、という流れで代謝を繰り返します。
しかし、この骨の新陳代謝がうまくいかなくなると、骨を作ったり壊したりする仕組みが崩壊してしまいます。エストロゲンが減ってしまうと、この関係が崩れることがわかっています。
骨を壊す破骨細胞だけが活発になり、骨芽細胞の活動が弱まる…すると、骨が壊されてばかりで作られなくなり、骨がスカスカになってしまいます。それが骨粗鬆症です。
骨粗鬆症を予防するためにも、エストロゲンを増やし骨の新陳代謝がスムーズに行われる必要があります。エストロゲンを増やすために、イソフラボンなど、エストロゲンと同様の働きをする成分を摂取しましょう。ホルモンバランスの乱れを整えることができれば、骨の代謝も正常に行えます。
また、ホルモンバランスが乱れているときは、免疫力の低下や自律神経の乱れも起こりがち。免疫力を高める成分や、神経に働きかける成分も併せて摂るようにしましょう。